第1話、宝石泥棒に子守唄を(2)(監督:深作欣二、脚本:柴 英三郎)

出演者:西村晃・金子信雄・真屋順子・坂上忍  74,10,5 放送
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どこかビルの屋上で風呂に入ってる若者が見える、これから始まるこのドラマの拠点となる場所を 想像させる(そうこのビルは綾部貴子所有で屋上のペントハウスで木暮修は暮らしてる) 挨拶なしのオサムとアキラ(修と亨はカタカナで書いていく)の登場。いきなりオサム が拳銃で撃たれる!何が起こったのかと思う間も無く二人の芝居と分る、このへんのやり取りで 二人の関係を想像させるのだろうか、普通のドラマにあるような物語の前振りが全くないのである 視聴者はドラマを観ながら理解しろと言ってるのであろうか?ようするに最終回以外はどこから放送しても 同じで1話完結となっているのだ。後から聞いた話だが製作順に放送してる訳ではないらしい。 まあそれほど複雑なドラマではない事もあってか特に気になるレベルではいはずだ。
どう言うつながりか分らぬがオサムとアキラは兄貴分と弟分とすぐ分る(あにき〜!と言っている、ハハ) そしてその街のチンピラ二人に仕事(探偵)をさせているうさん臭い探偵事務所の社長「綾部貴子」、そして その部下「辰巳五郎」、いわゆるレギュラーである。もうひとり秘書役の「浅川京子」というのがいるが あまりたいした役になってなった、がしかしこれがとても色気があって当時の中学生的には憧れのお姉様って 感じでこんなお姉様に優しく教えてもらいたいと思っていたヤカラは多いはず、そう、このワンポイントも このドラマの良さ(私は思ってる)なのである、毎週恒例のように出てくる色気や濡れ場も当時の私には充分過ぎ る程の刺激だったのだ!
さて、ストーリーは今日食べる飯代もなくなったオサムアキラ、頼るは綾部探偵事務所からの留守番電話 さっそうとバイクで確認の為事務所に向かうオサム、お!オサムの愛車はバイクか?と思わせるバイクさばき で事務所に着く(しかし後にも先にもバイクに乗るのは今回だけだった)
それで今回の仕事は宝石強盗に入る事そして警察に捕まるようにと、報酬は30万円...いつも怪しい仕事と 分ってはいるが引き受けてしまう(ドラマが成り立たなくなる)、理由も聞かず強盗支度に入るオサム、やって 来たのはのは「大東京美術株式会社」強盗用のモデルガンを買に来たのである店主(金子信雄)とのやり取りで 馴染みである事が伺えるがやはり最初で最後の出演だった、がこの二人のやり取りがまた面 白い、なにやら 広島弁を喋るセコそうな店主、この時何故店主(金子信雄)が広島弁を喋ってるかは当時は全く分らなかったのだ だからドラマのストーリーでの単なる1コマだと思っていたのである、前回も話したがこの意味を知るのは何年 も後の事なのだ、73年に公開した広島ヤクザ映画『仁義なき戦い』の山守組親分がこの金子信雄だったのである 喋り口調は山守組親分そのものだったのだ『仁義なき戦い』と言えばこの後シリーズ化されヤクザ映画の代名詞と なった作品でその主役広能昌三(菅原文太)の親分さんがこの金子信雄なのである(やはり映画でもセコイ親分役を 名演している)その絶好調の金子信雄をこの古物商のオヤジ役で使ったなんてなんと憎い演出ではないか!しかし 当時は知る余地も無かったのである、付け加えれば監督はどちらも深作欣二である事は言うまでもない...。 守備よく強盗に入り宝石を盗むオサムであったが逃げる途中歩行中の母子と衝突して子供に怪我をさせてしまう、 宝石はラグビーボールに隠しアキラに渡しオサムは無事?警察の御用となるのである さあここで、またちょっと匂う海津警部(西村晃)の登場なのであるが、つづきは次回のおたのしみに...。
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木暮 修
乾 亨
綾部貴子
辰巳五郎
 浅川京子
  オサムの住むビル屋上
    最初で最後のバイクシーン?
左から菅原文太、松方弘樹、金子信雄
モデルガンを借りに来たオサムと
店主役の金子信雄