金庫破りに赤い薔薇を 74,12,7
放送
監督:鈴木英夫、脚本:渡辺由自 出演者:小松政夫、加納典明、川崎あかね
解 説
前作に続き今回も大活躍(魅力いっぱい)のアキラちゃん!
相棒?に小松政夫さんを迎えテンポ良く進むストーリーは『傷だらけ・・』随一かもしれない..。
つかみ部分の渋谷駅前(たぶん)のオサムとアキラの掛け合いだけで、私はもう参ってしまった..。
『傷だらけ・・』には私たちが油断出来ないさせない魔力がある..もう最初の30秒で否応なしに引きずり込む、それはこちらの感情状態がどうこう関係ない。どんな気持ちで画面
の前に座っても『傷だらけ・・』は容赦ない、最初からフルスロットルで突っ走る...私はそれを苦笑いしながら受け入れるし、時に心の準備出来ていなかった自分に「恥」などを感じてしまうのです。今回もそんな感じでした。ごめんなさい<(_
_)>
相変わらずだが今作のストーリーもさほど難しいものではない。ある電機会社の秘密書類を盗むと言うのがオサムとアキラの仕事。詳しく話すと、新製品開発での株主側と社長側の社内抗争で、秘密書類をライバル会社に売り渡そうとする社長側の野望の前にその書類を安全な場所に隠そうとする株主が綾部探偵事務所に依頼してきたと言う訳だ。前準備としてその会社の警備員としてオサムとアキラが潜入待機...そして辰巳さんの今夜決行の指示が出された..。
『傷だらけ・・』独特のドラマ感としては、やはり只ストーリードラマではなく、ストーリー(脚本)の中でどうオサムが動いたのかアキラはどう感じたのかに観ている側の興味が注がれているのではないだろうか...もちろんストーリーがどうでも良いと言うのではなく、このストーリー『オサムとアキラがやったら、こうなりました〜〜!』(この場合ショーケン、水谷豊ではなく)、そのくらいオサム、アキラ個性はどんなドラマよりもずば抜けていて、そして私たちはそんな彼らの生き方に注目していたのかもしれない...只のヒューマンドラマを超えた『傷だらけ・・』ストーリーを楽しみにしていたのだろう...。
逆の例を上げればショーケンの次作『前略おふくろ様』は土台にビクリともしない脚本(倉本聰)がある。この緩みひとつない脚本を忠実に役者さんが演じた...倉本さんのが思い描いたまんまだったのだろう...結果
『前略・・』において我々はそれぞれの役の人たちにしっかり感情移入し、唸ったり笑ったり...そして泣いたりした。まさに『倉本劇場』にどぷりと浸かってしまった。サブちゃん海ちゃん利夫さん半妻さん...彼らは倉本さんの思うがままに動いたのだ...そしてそれが最良の作品が生まれた最も重要な要因なのだろう...個人的に『傷だらけ・・』と『前略・・』のこの両極端が大好きで大好きでたまらない。いずれ『前略・・』もじっくりとご紹介したいと思っています...(−−)>
さ〜て、話を戻そう...
軽快な今作の立て役者は小松政夫さん、そう小松の親分さんであることは言うまでもありません!だってそーでしょ、そりゃそーだもの!!
小松さんが持っている独特の軽さ愛嬌情けなさが今作でも炸裂!これまたアッと言う間に『傷だらけ・・』の世界に溶け込んでしまってる。もうオサムアキラとは昔からの付き合いみたいな掛け合いには思わず唸ってしまった、全てのセリフ、動きや間のセンスは..さすがだ!『傷だらけ・・』ゲスト男優賞を差し上げましょう。
そしてセット(3人)の動きの中では、これまたストーリーを超え3人の行動言動に注目してしまう、そして彼らもやっぱりそれを裏切らない..これはもう画面
の中と外が一体になったような錯覚さえ感じる。『傷だらけ・・』ベストカット(コンビネーション部門)となる一平(小松親分)の部屋でのひとコマは伝説となったと言って良いだろう。
また、オサムがいなくなった後のアキラ一平のコンビは、このままずーっと続けて欲しいと思うほどだった。二人とも根っからの悪には到底なれないチンピラであることは皆分かっている。しかしこの只のチンピラ二人に私たちは何かを感じ彼らを微笑みながら受け入れている...「こいつらいい奴なんだ」とどこか思っているのかも知れない...どちらにしても人間味溢れる彼らの姿に惚れたのだろうなぁ〜、、、
さて、もうひとり「オカマの殺し屋」役をビックリ加納典明さんが演じております..。
たぶんドラマ初出演だと思いますが、殺し屋は良しとしてもオカマのおまけ付とは御見逸れ致しましたm(..)m
役柄なのか大根なのか辿々しいセリフまわしがかえって嫌らしく感じ、なんかあってましたねぇ〜(
^.^) もちろん名場面の「典明ちゃん坊や(アキラ)いたぶり」は必見!アキラの悲鳴なのか喘ぎなのか分からないリアクションは今後アキラちゃんホモ説を臭わせたきっかけとなったのです。
どうも『傷だらけ・・』の宣伝用の写真を撮ったのが典明さんだったらしいですが..そう言う接点の中で出演が決まったのでしょうか...(私にはわかりまっしぇ〜〜ん(^。^;)
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オサムアキラとは逆に敢え無く御用となった一平...やっぱり悪に成りきれなかった一平..
アキラはこんなしまらない一平に罵声を浴びせる...しかし私にはこの罵声が「ありがとう、一平」と言う言葉に聞こえてならならなかった....。
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