シンデレラの死に母の歌を       74,12,14 放送
監督:土屋統吾郎、脚本:渡辺由自 出演者:平田昭彦、服部妙子、川村真樹、浦辺粂子  
解 説 
さあ『怒濤の9、10、11話』(私はこう呼んでいる)のラストを飾る今作...
やっぱりきっぱりお約束のメガトンパンチでもう放心状態、うまく解説できるやら、、(°ρ°)。。。

まずはアキラちゃん...
『傷だらけ..』のメイン「オサム」そしてあくまでもサブのはずだった「アキラ」...
何度もお話したがこの「アキラ」の位地がどんどん変わってきて、それによりドラマのうま味も変わってきたのでは、と私は思っているんですが
...
特にここ数話におけるアキラの活躍は我々を魅了し、完全にオサムと対等に渡り合った感があった...そう『怒濤の9、10、11話』はアキラの格上ヒストリーであるとも感じる..
そんな中私たちは、サブキャラのアキラにオサム以上の感情を抱いて行ったのでしょう...さて?こんなアキラの魅力とは何なのでしょうかね?・・・おっとこの話題は今度ゆっくりと・・・

そして遂にドラマはアキラにオサムと対等の仕事を与える...しかしこの“対等”の意味は
『傷だらけ..』ファンにとって複雑な思いを突き付けられる事になる..
あくまで二人(セット)で確立した『傷だらけ..』にドラマ内での対等などないのでしょう..
アキラはオサムの目下(弟分)としての動きの中でのみ魅力を発揮できる...別 々などありえない。考えられない...
今作はそのタブーに触れた作品であるという驚きと二人の殴り合いという衝撃をはじめて目の当たりにしてしまった。
私たちの中で「アキラ」という人間像がしっかり確立された中でのこのシーンは否応無しに感情をこね回された感じだった...

アキラの中ではオサムに迷惑をかけないで早く一人前になり役に立ちたいという気持ちが奥底にあったのだと思う。
今回アキラは初めて訪れた一人前としての仕事に入れ込んだ。そしてたしかに調子にのった感もあった。もちろんオサムの焦りも感じる... そんな中二人は屋台で遂にぶつかってしまう...
「もう、一人でやっていけ!」
オサムの悲しい厳しい言葉が私の心に突き刺さった..。
絶妙なコンビネーションで『傷だらけ..』ストーリーを築き我々を魅了してくれてきたオサムとアキラ.. 弟分を可愛がるオサムの気持ちとアニキが好きで好きでしょうがないアキラの気持ちが私の中でぶつかり合ってしまった...いっや〜、、ホントに辛い場面 でした。
もちろん、この後二人はいつもの元気なコンビに戻るのですが、次作以降も何度となく二人の心のすれ違いを感じたのは私だけなのでしょうか...。

えっへん(〃_ 〃)ゞ、本編のお話に行かせて頂きます。
今回は『伊豆の山林王の遺産相続人はどっちだ!』って感じをベースに進んで行きますが...
20年前に誘拐されたと名乗りを上げた二人の女..オサムアキラがそれぞれが女に近付き真意を確かめるのが今回のお仕事。
オサム担当の初江さんは服部妙子さん、アキラ担当の初子さんは川村真樹さん、まあどちらも無名の女優さんですね、服部さんは後の『祭りばやしが聞こえる』にも出てました。川村さんのセミヌードや色気は中々のものでしたね(V^−°)
そしてこの二人がまるで両極端、初江さんは田舎娘丸出し(しかしオーマイダーリンは歌わんだろ普通 )、初子さんはギトギト女、真面目に生きているとは到底思えない...今回もどっちが本物かよりこの二人にオサムアキラがどう絡んだかに焦点が集まってしままいましたねぇ〜(^。^")
前に話した事がありましたがアキラの女扱いが変わってきているのです...
「わからない」アキラちゃんが
「りっぱだって言ってくれたもん」のアキラちゃんに変わったのです。そうアキラも女慣れしてきたのす。
初子さんとの絡みもりっぱ?にこなしました...がしかしアキラ童貞説は消えないのです(持論です)。なぜなら蝶ネクタイ一丁でベットに入っているアキラの言葉が気になるのです。「おっかしいな〜?」...どうも下の具合が変なようなのです...はたしてあれで全う出来たのでしょうか?..アキラは結局役に立たなかったが大人の初子さんは、そんなアキラをりっぱと励ましてくれたのかもしれないのではと私は憶測するのです( ̄〜 ̄;)

話は変わりますが、今回のオサムは名誉挽回?かっこ良かったっすね〜、、、
健太くんに声のお便りとかオモチャを買う場面などで、優しい父親としての一面 を久々に見せてくれました。 また健太くんの声が出てくるというオマケ付(後に登場する健太くんとはどうも違う声だが)
そして女性に対するオサムならではの粋な振る舞いはアキラには出来ない優しさを感じる。 また女の扱い方の上手さを改めて感じてしまいました(オサムちゃん偉い!)
そしてクライマックス多勢を相手にしての戦いは「オサムちゃんかっこ良すぎ 」でしたねぇ〜!

さて辰巳さん、前に電話でオサムの真似をしたシーンがありましたが、今回とうとうオサムに成り済ましちゃいましたね、それも美味しいとこ(初子さんとの絡み)とあっては見ているこっちも期待しちゃいますが、そうは問屋が卸さないのがこのドラマの良い所(?)、身元引き受け人が綾部さんと言う所もハイセンスな味付けとなってます。そして紳士辰巳が段々崩れているのも『傷だらけ..』の興味な所となっております(これからもどんどん崩れろ!辰巳!)

さあ、ゲストです。悪徳弁護士役に平田昭彦さん...う〜ん嬉しい(;_;) ..あの『ゴジラ』の芹沢博士ですよ“オキシジェン・デストロイヤー”発明者です。ゴジラと共に海底に眠った芹沢博士、良い役だったなぁ〜...以後ラドン、モスラ等東宝特撮に数多く出演しました。学者、博士等のお堅い役が多かったようで、いわゆる主役(宝田明、小泉博など)の『明』とは反対の『暗』の感じでした。私はその渋さが好きでしたけどね..晩年『ぴったしカンカン』によく出ていましたが、結構ひょうきんなんだとびっくりしていたのを覚えております。あとテレビでは『ウルトラマン』でも準レギュラーでした。ちなみに、 ここでも博士役でしたね。 さて、今回は嫌らしい役となってました..そして見事嫌らしかったです。

もうひとり、初江さんのおばあちゃん役は浦辺粂子さん、そう“ばあや(たま)さん”ですねぇ〜
今回、登場場面は少ないのですが、良い所を演じておりました..浦辺のポジションでしたね!
個性ある熟年女優さんは素敵でした...
個人的に賀原夏子さん飯田蝶子さん沢村貞子さん清川虹子さんが好きでした...でももう皆さんいらっしゃらないんですね...。

今回もテンポよく進みました...内容濃かった分テンポ良すぎて感情移入しそこなってしまったのか... 初江さんの悲しい人生に入りそこねてしまったようです。 欲言えばオサムと初江さんのシーンがもう少し欲しかったなぁ〜・・ まあ逆言えば、その他の話題が多かったっつー事になるのでしょう(今回、物凄かった!)

・・・う〜ん今回もドラマのスジをちっとも話しておらんような感じだが......ま、いっか!

ふ〜っ(=^・・^)何とか『怒濤の9、10、11話』が終了しました。 次回、趣向?を変えた『非情の街に狼の歌を』はどんな展開になるのでしょうか...

首尾よく取入るアキラちゃん
こちらもなんとかオサムちゃん
証人を連れて来たアキラ
いかにも悪そな平田さん
もう、一人でやっていけ!...
オサムちゃんになった辰巳さん
オサムの帰り待つ初江だが..
二人の足取りは重く..
おばあちゃん俺、初江さんを・・