非情の街に狼の歌を

非情の街に狼の歌を　　　　　　　74,12,21放送
監督：児玉進、脚本：鎌田敏夫　出演者：土屋嘉男、水原麻記、清川信吾、鈴木和夫、神山卓三
解　説　
え～、『怒濤の9、10、11話』で疲れきってしまい一息入れてしましました(入れすぎじゃい！)
今回いきなりアキラからの登場でやはり明らかにアキラの『扱い』が変ったと感じるが、どうだろう．．(シャレじゃないよ(￢_￢))
しかもオサムはいきなり事故で入院、さ～さ～アキラちゃんの出番出番と言った感じなんですねぇ～．．
ところがところが、いきなり助平アキラに逆戻り！私たちの期待は裏切りません彼は！本能なんです、女の匂ですぐおかしくなってします。
その時のアキラに理性はありません．．サカリのついた猫と一緒、また助平も若くない助平、そうジジイと一緒、いやらしい．．
そんな出だしでドラマのはじまりとなります、ハイ。

今回場面は熱海、昔むかしの懐かしい熱海の風景が堪能出来ます。そうペントハウスは登場しましぇ～んヽ(ー_ー )ノ
熱海駅に着いたアキラと若い女、そう今回の話のネタを持って来た水原麻記さんです。この女優さんも多くの作品で脇を努めたようですがよくは存じておりません、顔は分るんですけどねぇ．．まあ『傷だらけ．．』的にはこのクセのある感じ、中々良かったんじゃないすか～！
そしてタクシーで早速アキラのお決り助平で出だしからニタついて観ていたら、なんと！運転手は神山卓三さんじゃないすか！？わっか～い！そしてまたまた東宝にやられたって感じだ、いつもながらさりげなくやってくれます『傷だらけの天使』は．．．もう、スキッ(* ・・*)
ご存じかと思いますが神山さんは声優さんでメチャ有名ですね、まあ『チキチキマシン猛レース』のケンケンと言えばもう神山さんっつーことです。私的には『狼少年ケン』のゴリラ『おそ松くん』のデカパン『もーれつア太郎』の神様なんてのが好きでしたねぇ、他にも沢山のキャラをこなしました。個性のある声はとぼけた役にぴったり！だからかアニメが多かったのかも知れません。俳優ではテレビ館的に『ウルトラＱ(カネゴンの繭)』で巡査役で出てましたよ。残念ながら神山さん2004年にお亡くなりになっております。時代はどんどん変わって行ってしまうんですねぇ．．寂しくなります。

さて今回のお話は、会社の金１億４千万円を横領して逃げた社員を追って綾部探偵事務所一同以下ずらずら～っと熱海までやって来ちゃったと言う訳です。そうです、逃げた社員松村の妻がアキラと同伴出演の水原麻記さんなのです。横領された金は当然裏金、表沙汰に出来ないので綾部探偵に話が回ってきたという事ですね、もちろん綾部探偵黙って引き受ける訳もなく、しっかり横取りを計画。今回の金額はど～んと大きいので辰巳さんチカラ入っちゃてますぞ。
なぜ熱海かって言うと、ここには海外逃亡に必要なパスポートを偽造する男がいるのです。そうです、松村は必ずここへやって来ると綾部探偵読んだのです。しか～し！そう思ったのは彼らだけではなかったんですねぇ～、まあ当然ちゃぁ当然、怖～い怖～いお兄さんたちまでがやって来ちゃいました．．．。

さあメインゲストのご紹介といきましょうか、今回パスポート偽造する男役に土屋嘉男さんが演じてくれましたが、最初中々登場せず、やっと登場したらなんとまあ射的屋のオヤジやっちゃってるではないですか！あちゃ～大丈夫かよと思っていたら、ここからが土屋さんの真骨頂ってな訳で『渋い』所見せてくれます。昔気質の男気で客との約束は死んでも守る、セリフも決して多くはないのですがオーラですかねぇ、この『傷だらけの天使』にしっかりと名を刻んでくれたようです。常人では到底理解出来ない立ち回りに観ている方も唖然、あのオサムさえも困惑させてしまう一途さ、当然オサムはどこか引き寄せられていったのでしょう、この男を『男』にさせてあげねばと．．むむっオサムちゃんも渋いっす！
それから土屋さん東宝特撮の初期時代からドド～ンと活躍してます「地球防衛軍」「ガス人間第一号」「マタンゴ」くぅ～良かったなぁ、あげればキリがないくらいです、またその他多く映画作品にも出演しておりますぞ。よ～くチェックしてみて下さい。

ドラマの急展開は突然やってきます。射的屋にいきなりやって来た怖いお兄さんたち．．うむも言わさぬ振る舞いに誰もがみんな“おったまげ”って感じアキラちゃんションベン漏らしそうなおののきは、このドラマは『傷だらけの天使』なんだとホッとさせてくれる．．。
ちょっと待てよ、この怖いお兄さんのひとりどこかで見た事あると感じたので、オープニングをもう一度観る事にした．．やっぱ『鈴木和夫』さんだ！
そう前に登場した大村千吉さん同様『怪優』のひとりと言って良いあの『鈴木和夫』なのです。こちらも名前ではピンと来ないけど顔を見ると誰もが「どこかで観た事ある」と言うんじゃないですかね？やはり東宝の俳優さんと思われるのですが映画が多かったと思います。『若大将シリーズ』『クレージーシリーズ』そして一連の怪獣シリーズにもよく出ていたと思います。もちろんちゃ～んと『脇』でね、でも存在感あったんじゃないっすか！？
先程『ウルトラＱ』の話しましたが鈴木さんも出ているんですね、やっぱ。そう「五郎とゴロー」の五郎役、巨大化した猿のゴローの親的存在で口がきけずみんなから「エテキチ」と呼ばれてとっても悲しい奴演じてました。しかし鈴木さん、ここでは主役はっちゃった感じでしたね。そう言えば土屋さんも出演してるんです、いぶし銀土屋もエテキチに全部持ってかれたようでした。そして今回『傷だらけ．．』でも共演．．奇遇なのか狙ったのか？．．．オラ知らね。

話は前後しますが、松村の妻はどうも夫を探してる訳ではなさそうです。やはり金．．ですね。登場人物み～んな金、金、金に振り回されって感じなのでしたがオサムちゃんはの～びり綾部さんの世話になって今回はかなりサボっちゃってます。もちろん辰巳さんとの掛け合いギャグや後半の決めゼリフは忘れてません。
ドラマは急展開の急ハンドルってな具合で金は松村の妻の手に．．逃げる妻．．ハラハラドキドキ．．怖いお兄さんたち追っかける．．ハラハラドキドキ．．妻、駅のトイレに．．お兄さんたちもすかさずトイレに．．万事休すか哀れな妻よと思いきや、とんでもない事になってしまいました。
時として『傷だらけの天使』は冷酷な場面を演出します。今回にも用意されてました．．土屋さんへのいたぶりもそうでしたが最後にきついのを一発。そしていつものようにフォローが全くないのも『傷だらけ．．』の特徴、まったくもって浮かばれない．．鈴木さん水原さん清川さんご苦労さんでした＼(_ _。）

さ～最後はアキラちゃん、今回もとの助平アキラに戻って悲しいやら嬉しいやら、特にボートの一こまの絵面は後ひくよなぁ～．．「ごめんなさ～い！」だもんな、そんでもって軽～いんだよアキラちゃん、お約束の海にドボン。今回のみならずアキラの引力に逆らうような軽さは一種独特でいつも感心しながら観させて頂いてます（´ρ｀）
オマケのラストシーンも痛快でした。辰巳とアキラ異色コンビが放つ抱復絶倒のオチにお茶の間のみなさんもきっと生きているの楽しくなる事でしょう！
今回、脚本に鎌田敏夫が初登場しております。そうです『青春シリーズ』御用達、あの『飛び出せ！青春』にも多く脚本されていますね、今回のかなりきつい内容は驚きでしたが別の一面も見せてもらったような感じでしたね、十分納得させて頂きました。
鎌田さん、この後ももう一本脚本されています。それもまたいいんだねぇ～！まあそれはその時のお楽しみと言う事で、今回はひとまずここまで、bybyヾヾ ^_^